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かけろま:自給自足の加計呂麻島

 加計呂麻島は、奄美大島の「影の島」「かげろう島」といわれ、それが 訛り、「かけろま」といわれるようになり、当て字が現在の地名になり ました。長老いわく「島では買って食ってはいけない」そうで、これは自給自足 の薦めでした。

 島という閉鎖空間において、自給自足は自然の有り様です。島では「足りないなら外から入れる」という安易な発想は通用しません。必要なものは自分で作らなくてはなりません。しかし、島の自給自足品 は島内で消費されるだけなので、島外には出ることはなく、ここに島の 独自性、全てが島内で収まる完結性が生まれました。特に食べ物、ことさら塩や砂糖といった基礎調味料はほとんどが自給 自足で賄われ、島の外で消費される事はありませんでした。

 ですが、こ うした島外不出の加計呂麻の食品が、昨今の健康食ブームによりどんど ん島の外に流出し始めました。加計呂麻のきび酢亜熱帯地方の奄美大島では沖縄と同じようにサトウキビが植えられ、砂 糖を作っています。この昔ながらの小さい製糖工場は、唯一時代の流れ に取り残された離島の加計呂麻島にだけ、過去の遺物のような形で残っ ていました。


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